ご飯や麺類、お菓子類などの糖質を制限すると、摂取カロリーが抑えられ、短期間で体重を落とすことができることから、気軽に取り入れられている糖質制限ダイエット。
でも、安易に糖質を制限しすぎると、「砂漠腸」という太りやすい体質になってしまうというからご用心…!!
参考:2018年4月12日放送 「スッキリ!」 順天堂大学医学部付属順天堂医院泌尿器科 堀江重郎 医師 |
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砂漠腸とは
「砂漠腸」って、あまり聞きなれない言葉ですが、読んで字のごとく、砂漠のようにカラカラに乾いた腸のことを言います。
腸の内側の壁は通常、厚く弾力のある粘膜層でおおわれていますが、砂漠腸になってしまうと、その粘膜層が薄くなり、水分のないカサカサの腸壁になってしまうのです。
砂漠腸があらゆる体調不良を引き起こす
腸の粘膜が薄くなり、砂漠腸になると、以下のようなあらゆる体調不良を引き起こします。
●肥満 ●肌荒れ ●動脈硬化 ●感染症・花粉症などのアレルギー |
大好きな炭水化物をガマンして、頑張ってダイエットをしているはずなのに、太ったり肌が荒れたりしてしまうなんて、ショックですね…。
砂漠腸のチェックリスト
では、自分が砂漠腸になってないかについては、どうやって確認したらよいのでしょうか。
砂漠腸のチェックリストがありますので、あてはまる項目がないか見てみましょう。
●風邪をひきやすい ●ダイエットをしている ●便秘がち ●肌荒れがある ●疲れやすい |
上記のリストの中で、3個以上あてはまる項目がある人は要注意です!
糖質制限ダイエットが砂漠腸の原因になるのはなぜ?
腸内には、乳酸菌やビフィズス菌がたくさんいます。
乳酸菌やビフィズス菌は、私たちの体のあらゆるコンディションを整える作用があるため、乳酸菌やビフィズス菌が元気なほど、私たちの体調も良くなっていきます。
乳酸菌やビフィズス菌などの細菌は、糖質をエサにしているため、適度な糖質を摂っていれば、腸内が活性化され、体調が整います。
無理な糖質制限をすると、善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌のエサが減ってしまい、悪玉菌が増えてしまいます。
悪玉菌は腸内の粘膜をエサにしているものも多く、結果として腸の粘膜が薄くなり、腸のバリア機能が低下します。
腸のバリア機能が低下すると、本来便と一緒に外に排出されるはずの有毒なものが、腸壁を通って血液の中に入り込んでいきます。
こういった有毒なものが肌荒れなどの不調を引き起こすのです。
一方で、糖質制限ダイエットの代わりのエネルギー源として摂取されるのがたんぱく質や脂質ですね。
ところが、たんぱく質や脂質を取りすぎると、アンモニアなど、あらゆる体調不良の原因となる物質が体内で発生します。
これらの物質は、通常は便とともに体外に排出されますが、善玉菌が減って砂漠腸となった腸壁を通して体内に残留し、血管を通して全身に流れていってしまうのです。
砂漠腸が肥満の原因になるのはなぜ?
本来腸の中にたくさんいるはずの乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌は、私たちの体を整え、太りにくくする物質や食べ過ぎを防ぐ物質を分泌しています。
糖質制限をしすぎると、これらの分泌物も当然減っていきますから、太りやすい体質になってしまう、と言うわけです。
ダイエットに最適な糖質の摂取量は?
かといって、炭水化物の取りすぎ・糖質の取りすぎはやっぱり良くありません。
炭水化物の取りすぎが肥満や糖尿病などにつながることも事実。
ダイエットで確実にやせたいなら、ある程度の糖質制限も視野に入れる必要があります。
糖質制限ダイエットをするなら、成人であれば、最低でも1日に120gの糖質を摂るよう心がけましょう。
120gの糖質とは、ごはんに換算するとお茶碗2杯ちょっとの量です。
朝昼晩のうち、一食だけ炭水化物を抜くか、あるいは毎食食べても茶碗3分の2ずつくらいにとどめるくらいが目安です。
砂漠腸の予防・改善になる食事
無理な糖質制限ダイエットによる砂漠腸の怖さが理解できたと思います。
今後は、砂漠腸の予防・改善になる食生活をしていきましょう。
食物繊維・特に水溶性食物繊維の豊富な食材を摂る
乳酸菌やビフィズス菌などのエサとなるのは、やはり食物繊維です。
便を出やすくする作用のある水溶性食物繊維は、特にたくさん摂りたいもの。
野菜類・豆類・海藻類を多く食べるよう心がけましょう。
もち麦がおすすめ!
もち麦は、大麦の一種で、水溶性食物繊維が豊富な食材。
それでいて、適度な糖質も摂れる、腸に優しい食材なのです。
また、血糖値が上がりにくいのももち麦の特徴。
白米に3~4割程度のもち麦を混ぜて炊くのがおすすめです。
サラダに入れたり、おみそ汁の具にするのもおすすめですよ!